
酔いどれ大臣
先進7カ国財務省・中央銀行総裁会議(G7)閉幕後に中川昭一前財務省・金融担当相が行った記者会見でろれつが回らなくなったり目を閉じたりした“酩酊会見”。外国のメディアからも「飲酒」や「居眠り」と疑われた。
この模様は世界中に配信された。おかげで日本の大臣の醜態が世界中の笑いものになってしまった。
100年に一度の経済危機といわれている最中の出来事に、辞任すればいいというものではない。 風邪薬と睡眠薬を飲んでいたと言明したが、それだけではすまされない。
元森首相によると、常々飲酒好きなので「注意するように」とたしなめられていたという。いくら風邪を引いていたからといって、クスリと酒を一緒に飲めば副作用が生じることは分かりきっていたことだ。
中川前大臣といえば、父・一郎氏が思い浮かぶ。元衆院議員で自民党の派閥・中川派の領袖だ。「北海のヒグマ」と呼ばれ、タカ派議員として知られていた。農林水産大臣、科学技術庁長官などを歴任した。
1973年には渡辺美智雄、石原慎太郎氏らと「青嵐会」を結成した。83年、札幌パークホテルのバスルームで自殺。その死についてはいくつかの疑問点があるとして、今なお謎とされている。82年の総裁選での惨敗が指摘され、選挙後、睡眠薬を服用していたという。親子ともクスリが縁で命と大臣の椅子を失ったことになる。 (2009.2.25
裕)

棒読み演説
米国初の黒人大統領オバマ大統領の演説を聴いた。
リズミカルでイントネーションも良く、300万人の大観衆を前に語りかけるようなスピーチだった。しかも19分の就任演説を原稿なしで語りかけた。
かつてケネディ大統領が「国家が、あなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国家のために何ができるか」の名演説にはおよばないにしても、心に訴えるものが残った。
それに引き替え、どこかの国の首相などは、官僚が作った原稿をただ棒読みするだけだ。そのうえ、字が読めないときている。
新年の記者会見でも、「安心 活力」と筆達者なところを披露したまでは良かったが、「平成廿十一年一月一日」と書いてしまった。これじゃ“二十十一年”ではないか。このような調子だと、安心もできず、活力も湧いてこない。
国内だけならともかく、先月末にスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで特別講演を行った際、「決然」を「けんぜん」、「見地」を「かんか」、「基盤」を「きはん」と、それぞれ読み違えた。昨年の衆院本会議でも「踏襲」を「ふしゅう」、「頻繁」を「はんざつ」、「未曾有」を「みぞゆう」と読むなど、日本語を知らなさ過ぎる。
原稿の棒読みは国会に限ったことではない。川崎市議会でもそうだ。議員の代表質問や一般質問、これに対する理事者側の答弁も、すべて原稿の棒読みだ。
原稿を読むのを聴いていると、コックリコックリと夜船を漕ぎたくなるから不思議だ。
パソコンで打ち込んだ原稿を、ただひたすら棒読みする“茶番劇”なぞ、傍聴する気にもならない。(2009.2.12 裕)

派遣切りとCM
急速な景気の悪化で、“派遣切り”とか“年越し派遣村”などという新造語ができたほどだ。
なかでも製造業、特に自動車産業の不況は甚だしい。トヨタや日産、ホンダ、いすゞ、3菱、ダイハツ、スバル、スズキなど、日本はもとより、世界に冠たる自動車メーカーが大打撃を受けている。
減産や生産中止、設備投資の減額、海外の関連会社の撤退などに追い込まれ、やむなく派遣労働者や期間労働者を解雇する。そればかりか正規の労働者までも削減するほどの影響ぶりだ。
その割には、テレビのコマーシャルは、新車のコマーシャルがひっきりなしに流れている。
TVCMの料金体系は非常に複雑だそうで、需要と供給のバランスによって価格が大きく変わってくるそうだ。ある広告代理店によると、例えば関東地区だけに限ると、早朝の場合、月額100万円台からゴールデンタイムなどの月額は1000万円を超えるといわれている。また、スポットCMのように放送時間や商品、CMの露出の仕方などによって料金が大きく異なるとか。そのうえ制作費は別途となっている。有名モデルや俳優、タレントなどを使えば料金はうなぎ登りとなるケースが多いとされている。
もっとも、不況で販売不振だからCMを放送するという理屈も成り立つが、企業利益ばかりを追求するあまり、人間の生活の重要さを軽んじてはいないか。
「企業は人なり」という。人が、従業員が、社員がいてこそ、会社が成り立つのではないか。 (2009.1.27 裕)
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